2014年01月29日
健康保険料が高いから、その都度10割負担でも?
「健康保険料が高い。
自分はめったに病院にかからないから、健康保険に入らず、
たとえ10割負担でも、
治療を受ける時だけ医療費を支払った方が良い」
という意見を耳にします。
それは賢い選択と言えるのでしょうか?
今朝の報道で、
「厚生労働省は4月の消費増税に伴う病院や診療所の料金引き上げについて、初診料を120円上げて2820円に、再診料を30円上げて720円にする案に絞る方針を固めた。」
というものがありました。
(日経電子版2014/1/29 2:00より転載)
この「初診料」「再診料」というのは、保険診療分の初診料・再診料です。
自由診療における初診料は、対象になっていません。
保険診療は、ただ単に、「3割の自己負担で済む」
という話だけではありません。
・厚生労働省で定められた、全国統一の価格で治療を受けられる
・使用される薬剤などは、その薬の効果や副作用のチェックを受けたものである
(厚生労働省の認可等に関する問題点も多々上がっていますが、
ここでは、とりあえずそれは脇においておいて、としておきます)
つまり、
健康保険料を支払わず、健康保険に入っていない人は、
病気やけがの治療をする際に、全国統一価格で受診できない、
ということになります。
自由診療においては、
病院や診療所の「言い値」で治療費を支払わなければならないのです。
また、自由診療では「高額療養費制度」が受けられません。
(所得税の医療費控除は、「医療」であれば自由診療でも適用されます)
この高齢化の時代、
確かに、健康保険料は高いと感じることでしょう。
しかし、
いざという時に、価格設定が不透明な自由診療で、
しかも全額負担となる支払いになってしまう事実は、
大きなリスクと言えるのではないでしょうか。
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