2014年05月07日
収入の高い家庭の子は、成績が良いか?
先日、コラム執筆のためにいろいろと調べものをしていたところ、
面白いデータを見つけました。
毎年、文部科学省で行っている
「 全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)」に関連して
家庭環境との関連性を調べた、
お茶の水女子大学のグループの分析結果です。
面白いデータを見つけました。
毎年、文部科学省で行っている
「 全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)」に関連して
家庭環境との関連性を調べた、
お茶の水女子大学のグループの分析結果です。
調査結果の概要はこちら。
<出典:「平成25年度全国学力・学習状況調査」
(全国学力テスト)の追加調査
「保護者に対する調査」(文部科学省)
分析=お茶の水女子大学のグループ
(代表:耳塚寛明副学長)>
気になる調査結果をまとめると、
次のようなことが分かったそうです。
・家庭の社会経済的背景(SES) が高い児童生徒の方が、各教科の平均正答率が高い傾向が見られる。
※社会経済的背景とは……
保護者に対する調査結果から、
家庭所得、父親学歴、母親学歴の三つの変数を合成した指標
家庭所得、父親学歴、母親学歴の三つの変数を合成した指標
ふーん、予想していたけれど、やっぱりそうか。
塾に通わせることができるし、
高い費用を教育費に充てることができるからだろうね。
と思うかもしれません。
けれども、じつはばらつきが大きく、
「家庭の社会経済的背景(SES)と子供の学力との間には強い相関があるが、家庭の社会経済的背景(SES)が低いからといって、必ずしも全ての子供の学力が低いわけではない。」
との記述も見られます。
どうやら、
「社会経済的背景(SES)の高い家庭は、生活習慣が整っており、それが子どもの成績に反映しているのではないか」
という見方がされていました。
保護者の意識が高い……
例えば、
毎日決まった時間に寝起きし、朝食をしっかり食べさせ、
遊ぶ時間を限定し、生活のルールを作り守らせている、
本や新聞を読み、感想を話し合ったり、
子どもの勉強を見てあげたり、計画的に勉強するように促している、
子どもと一緒に博物館・科学館・図書館・美術館・劇場などに行き、
学校での出来事や将来のこと、友達のことを家庭で話す、
といった日々の生活の1つひとつは、
学力とリンクするようです。
そして、
「子供の学習時間は、全ての家庭の社会経済的背景(SES)で学力との関係が見られ、学習時間は不利な環境を克服する手段の一つと考えられる。 」
とのこと。
どれだけ経済的背景が整っていようとも、
学習時間が少なければ学力が低い傾向のようです。
反対に、経済的背景が不利であっても、
学習時間を多くとることで、子どもは環境を克服できる
というのです。
「家計に占める教育費がどれぐらいが適当か?」
とよく聞かれますが、
費用以前に、
子どもの教育環境を整えることに意識を向けることの方が
ずっと大事なのかな、と思いました。
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