2011年05月07日
将来インフレになると、このお金の価値はいくらになるのだろう?
電卓では複雑な計算も、パソコンの表計算ソフトで簡単に
前回は、
「n年後にX万円にしたい場合、年利r%の複利運用で
今、どのくらいの金額があればよいか。」
を求めるために「現価係数」を使いました。
今度は、将来インフレになった場合、
現在のお金の金額が、どのぐらいの価値になるのかは、
同じく「現価係数」で求めます
「年率r%のインフレがn年間続いた場合、現在のX万円というのは
n年後のいくらの価値に相当するのか」
を求めます。
物価変動を考慮すると、将来の資金計画の精度も高まります
「時間の経過に応じて物価は変動し、それに従ってお金の価値も変化する」
という考え方を身につけてください
ここでは、Microsoft社の Excelを使って「係数表」を作成し、
現金の実質的価値を求める方法をお伝えします
前回記事とまったく同じ作表をしますが、
念のためこちらにも記載しておきますまずは、「現価係数表」を作成
縦軸にn年、横軸にr%のマトリックス表を作成します。
この表を使って、
「n年後」と
「年率r%」が
ぶつかった項に示されている数値を目標額に掛ければ、
答えが求められます。 Excelを開いて、以下の通りに入力をしてみてください
ここで、イメージしやすいように表の全体像を示しておきます。
ちょっと長めですが、50年後までの例を示しておきます。
セル「2C」から横に、「2L」までが、1%から10%までの見出しです。
セル「3B」から下に、「52B」までが、1年後から50年後までの見出しです。
では、実際に入力してみましょう。
(1)「2C」に「1%」、「2D」に「2%」と入力し、
オートフィル機能で2行目に1%から10%までの見出しを作ります。
(2)「3B」に「1」、「4B」に「2」と入力し、
オートフィル機能で「52B」までの見出しを作ります。
これで50年後まで作成されますが、
B列はご自分のお好きなところまでの年数でも結構です。
終価係数の数値は、セル「3C」から入ることになります。
(3)セル「3C」に、「=PV(C$2,$B3,,-1,$B$1)」
と入力します。
0.9901 という値がセル「3C」に入ったことと思います。
小数点以下の位は、第3位でも、第4位まででも、お好きなように
「セルの書式設定」を行ってください。
これで、
1年後から50年後まで、
年率1%から年率10%までの物価上昇を想定した場合の、
現金の実質価値を求める
「現価係数」の一覧表が出来上がりました現価係数を使って、n年間、年率r%で物価が上昇した場合、
現在のX万円の実質的価値はいくらになるかを求める
n年間、年率r%で物価が上昇した場合の
X万円の実質的価値を求めるには、
以下の式を使います。
r%の項とn年後の項がぶつかったセルの現価係数を探します。
(現在のX万円)×(現価係数)=n年間、r%のインフレが続いた場合の実質的価値
たとえば、平均して年間1%の物価上昇が5年間続いたとしましょう。
現在の1,000万円は、5年後に実質いくらの価値になるでしょうか。
マトリックスから、1%、5年後の現価係数は、
0.9515であることがわかります。
これをあてはめ、
1,000万円×0.9515=9,515,000円
となります。
今、現金1,000万円を自宅の金庫にしまっているとします。
この1,000万円は当然利息がつくはずもなく、
物価が年間1%ペースで5年間上昇していった場合、
物価上昇に追いつけずに、
5年後の実質的価値は951万5千円となってしまう、という話です。
投資資金に充てることに比べて、
現金は元本が減らないから良いと思っている方も少なくありません
けれど、物価の変動に応じて、
相対的に現金の価値も変動していることを意識するようにしましょう。
もちろん、デフレになれば現金の実質的価値は上昇します
だから、これまでのデフレ時代は、金利がゼロでもよかったのですよ
でもこれからは・・・・・・
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